警察官や公的機関を名乗る人物から「口座を調査する」「指定口座にお金を移動させてほしい」といった電話がかかってきた場合、警察の正当な手続運用に基づけば、電話で振込指示やネットバンキングでの資金移動を求めることは公的ルール上考えられません。
万が一、そのような指示を受けた場合は、その場で判断して送金を行わず、速やかに電話を切って警察相談専用電話(#9110)または最寄りの警察署へ事実確認を行うことが重要です。
- 「警察官」を名乗る不審電話の典型的な誘導手口と客観的な不審点
- 実際に発生した被害事例に見る心理的誘導のメカニズム
- 送金手続を行ってしまった直後に取るべき緊急の初動対応手順
この記事では、1,600万円を超える被害が発生した実例を交えながら、警察官を騙る不審電話の心理的メカニズム、手口にみられる客観的な不審点、そして送金手続きを行ってしまった直後に取るべき緊急対応手順について詳しく解説します。
警察官から「口座調査で振り込み」を求められたら?結論と客観的事実
警察官や警察関係者を名乗る人物から電話がかかり、「口座の調査が必要」「資金を安全な口座に移すように」と指示された場合、その指示に従うことには極めて大きな法的・資産的リスクが伴います。
公的機関が電話口で口座の暗証番号を尋ねたり、指定した金融機関口座へインターネットバンキング等を利用して資金を移動させたりする運用は、警察の正当な手続きとして一切存在しないという事実を理解することが第一歩となります。
まずは、警察機関における正当な捜査・調査の手順と、電話口で提示される不審な指示との間にある客観的なギャップについて詳しく整理いたします。
警察が電話で個人口座へ送金指示・口座調査を行うことはない
警察や検察などの捜査機関が犯罪捜査を行う際、容疑者や関係者の口座資産を調査したり凍結したりする手続きは、法令に基づいた厳格な文書手続を経て執り行われます。
仮に金融機関の口座に対して捜索差し押さえや差し押さえ命令などの強制処分を行う場合であっても、電話で口座主本人に対して「指定口座へ全額振り込みなさい」と指示するような手続きは法令上も運用上も定められていません。
したがって、電話口で「口座の資金を調べる」「確認のために指定の口座にお金を一時的に避難させる」といった提案があった場合、それは正当な行政・捜査手続きの範囲を大きく逸脱した不審な連絡であると判断できます。
なぜ「警察官」を騙る電話を信じてしまうのか?心理的圧迫の構造
社会的な信頼度や権威性が高い「警察官」という名称を使われると、人間は反射的に警戒心を緩めてしまい、言われた指示を素直に受け入れてしまいやすくなります。
さらに、電話の相手から「あなたに犯罪の容疑がかかっている」「協力しないと逮捕される可能性がある」といった強い脅迫観念を植え付けられると、正常な思考力や客観的な判断力が著しく低下します。
このように、相手は「公的機関の権威」と「冤罪や不祥事への恐怖」を組み合わせることで、読者や被害者に対して心理的な退路を断ち、冷静に第三者へ相談する時間を与えない状況を作り出すのです。
不審電話を受けた直後に取るべき3つの即時アクション
もしも警察官を名乗る電話で「口座調査」や「資金の振り込み」を求められた場合は、焦って指示に従うのではなく、直ちに以下の行動を取ることが大切です。
第一に、相手がどれほど緊急性を訴えてきたとしても、その場で電話を一度切ることです。
第二に、電話相手から指示された「直通番号」や「担当者の連絡先」には折り返さず、警察が公式に発表している警察相談専用電話(#9110)や、地域の警察署代表電話へ自ら番号を調べて連絡を入れることです。
第三に、金融機関のネットバンキング画面を開いたり、暗証番号やパスワードを入力したりする操作を一切中断することです。
警察手続の客観的比較
| 項目 | 警察の正当な捜査手続 | 「警察官騙り」の不審な指示 |
|---|---|---|
| 連絡方法 | 書面送達や直接の出頭要請が基本 | 突然の電話(非通知や国際電話番号など) |
| 資産の確認手法 | 法定の手続きに基づき金融機関へ照会 | 本人にネットバンキング等で送金させる |
| 第三者への相談 | 弁護士等への相談・通報は自由 | 「捜査の秘密」「他言無用」と念押しされる |
| 指定口座への振込 | あり得ない(捜査費等の振込要求は存在しない) | 「一時預かり」「調査用口座」と称して要求 |
1639万円の被害事例から読み解く「警察官騙り」の巧妙な誘導ステップ
警察官を騙る不審電話によって、1,600万円以上の巨額な資産を失ってしまう痛ましい事件が実際に発生しています。
具体例として、埼玉県川越市で発生した55歳の公務員女性が合計1,639万7,000円を騙し取られた事例(川越警察署発表)を取り上げ、相手がどのようなステップで心理的誘導を行っていたのかを客観的に分析します。
この事例を分析することで、一見すると不自然に見える送金指示であっても、段階的な心理誘導によって断りづらい状況が形成されていくプロセスが浮き彫りになります。
「投資詐欺の捜査中」「犯人を逮捕した」という突然の連絡
事件の口火を切ったのは、警察官などを名乗る男からの突然の電話でした。
相手は「現在、投資詐欺の捜査を行っており、その犯人を逮捕した」という具体的な事件の進展を告げることで、あたかも公的な捜査の連絡であるかのような信頼感を演出しました。
実在する警察署や捜査課の名称が語られると、多くの人は「何か事件に巻き込まれたのではないか」という不安と緊張感を一瞬にして抱くことになります。
「犯人があなたの口座を50万円で買った」という冤罪の脅迫観念
続いて相手は、「取り調べの中で、犯人が『あなたから口座を50万円で買った』と自供している」という衝撃的な内容を突きつけました。
身に覚えのない口座売買の容疑を突然かけられることで、公務員や社会的立場のある人物ほど「冤罪で逮捕されたらどうしよう」「職場や家族に知られたら大変なことになる」という強い動揺を覚えます。
自分が嫌疑をかけられているという窮地に追い込まれると、人は「疑いを晴らしたい」「捜査に協力して身の潔白を証明しなければならない」という心理的な誘導に乗らされやすくなります。
「口座のお金を調べる」と称したネットバンキング送金指示
疑いを晴らすための条件として、相手は「あなたの口座に入っているお金をすべて調査しなければならない」と主張し、指定する口座へ資金を動かすよう指示を出しました。
この際、店舗の窓口へ出向かせるのではなく、自宅からインターネットバンキング(IB)を利用して送金させる手法が使われました。
自宅でのネット操作は周囲の目が届かないため、銀行の窓口係員による声かけや防犯確認の機会を回避できるという悪質な計算が働いています。
複数回・日数を空けた振り込みによる発覚の遅延
被害にあった女性は、初回連絡から約2週間が経過した8月22日から23日にかけて、2回に分けて合計1,639万7,000円をネットバンキングで振り込みました。
このように数日間にわたってやり取りを継続させたり、複数回に分けて送金させたりする手法は、相手に対するマインドコントロールを定着させ、発覚を遅らせる効果をもたらします。
最終的に返金がなされないことを不審に思った女性が、9月3日に自ら警察署へ相談したことで被害が顕在化しましたが、送金から日数が経過していると資金の回収が困難になるリスクが高まります。
被害事例に見る心理誘導フロー
【突然の電話】「投資詐欺の犯人を逮捕した」と公的機関を強調
↓
【脅迫・不安】「犯人があなたの口座を買ったと自供した」と濡れ衣を着せる
↓
【解決策の提示】「身の潔白を証明するため、口座資金をすべて調査する」
↓
【非対面での送金】ネットバンキングを使い、指定口座へ複数回にわたり送金させる
↓
【被害の発覚】返金されず不審に思い、自ら警察署へ相談して発覚
警察官騙り詐欺でよく使われる手口・言葉のパターンと見分け方
警察官を騙る不審連絡には、相手の不安を煽り立てて冷静な思考を奪うために頻繁に使用される特定のフレーズやパターンが存在します。
これらの言葉が電話口で発せられた場合、正当な行政・警察の手続きとは全く異なる「客観的な不審点」が含まれていると捉えるべきです。
以下に代表的な4つのパターンをまとめましたので、ご自身やご家族の身を守るための確認指標としてご活用ください。
パターン1:「あなたの口座が犯罪に悪用されている」と不安を煽る
「あなたの名義の口座が特殊詐欺の振込先に使われている」「マネーロンダリングの疑いがかかっている」といった言葉で不審電話は始まります。
身に覚えのないことであっても、「犯罪に関与している」と言われると恐怖心から冷静な判断力を失ってしまうのが人間の心理です。
しかし、実際の警察が電話一本で罪を決定づけたり、弁明の機会を与えずに不当な金銭移動を要求したりすることはありません。
パターン2:「捜査の秘密を守れ」「家族や銀行員に言うな」と口止めする
「これは極秘の捜査だから、誰にも話してはいけない」「銀行の窓口で理由を聞かれても『家財の購入』と答えなさい」といった強い指示が出されるのも特徴的です。
これは、被害者が家族や金融機関の窓口担当者、弁護士などの第三者に相談して不審点に気付くのを防ぐための典型的な遮断工作です。
公的機関の正当な手続きにおいて、市民に対して「家族や警察相談窓口への相談を禁止する」といった制限を設けるルールは存在しません。
パターン3:「口座内資産の一時預かり・安全な口座への移動」を名目にする
「口座を凍結する前に、あなたの資産を保護するための『安全口座』にお金を退避させる必要がある」という説明も頻繁に使われます。
「国家の保護口座」「財務局の特別管理口座」など、あたかも公的な保管場所があるかのような名称をでっち上げる事例も確認されています。
当然ながら、警察や財務省などの省庁が個人の資産を「一時預かり」するための指定口座を保有し、そこに送金させる運用はありません。
パターン4:SNSやLINEでの「警察手帳・逮捕状」偽造画像の提示
近年では電話だけに留まらず、「警察官である証拠を見せる」と言ってLINEやSNSの連絡先を追加させ、偽造された「警察手帳」や「逮捕状」の写真を送信してくる手口が増加しています。
公的機関が個人に対する捜査書類や公文書を、民間のSNSアプリを使って送信・提示するような運用は行われていません。
画面上でどれほど本物らしく見えても、SNS経由で公文書や警察手帳の写真が送られてきた時点で、客観的な不審点が極めて高い連絡であると判断できます。
不審電話で使われる危険フレーズと客観的不審点
| 相手が発する危険フレーズ | 含まれる客観的不審点 |
|---|---|
| 「犯人があなたから口座を買ったと言っている」 | 電話口で一方的に容疑をかけ、焦りを誘発している点 |
| 「捜査上の秘密なので、家族や銀行には絶対に話すな」 | 第三者への相談を遮断し、孤立させようとしている点 |
| 「口座の資金を調査するため、指示する口座に移しなさい」 | 公的機関が個人口座への振込を求める運用はない点 |
| 「LINEで警察手帳と逮捕状の画像を送るので確認しろ」 | SNS上で公文書や身分証を提示する公的手続はない点 |
ネットバンキング(IB)を悪用した不正送金リスクと注意点
警察官を騙る手口において、近年特に悪用されているのが金融機関のインターネットバンキング(IB)機能です。
従来のように「ATMへ移動させて振り込ませる」手法は、無人店舗での警察官による声かけや金融機関の利用限度額制限によって阻止されやすくなりました。
そのため、悪質な手口を行う者は、被害者の自宅内で完結し、かつ一度に多額の資金を移動できるネットバンキングへ標的をシフトさせています。
ATMに行かせず自宅のPC・スマホ操作を指示する理由
自宅でPCやスマートフォンを操作させて送金させる最大の理由は、金融機関の防犯体制(窓口での声かけや防犯カメラ、防犯指導員など)を回避できるためです。
自宅という密室空間で電話を繋ぎっぱなしにさせられると、被害者は外部からの客観的な助言を受ける機会が完全に奪われてしまいます。
また、周囲の目がない環境では「早く手続きを終わらせて嫌疑を晴らしたい」という焦りが増大し、振込画面の表示内容を慎重に確かめずに送金ボタンを押してしまうリスクが高まります。
送金限度額の引き上げや複数回に分けた手続を求められる危険性
ネットバンキングには1日あたりの送金限度額が設定されていることが一般的ですが、電話の指示役は制限を解除させるための操作手順まで細かく案内してきます。
「限度額を変更する画面を開いて数値を変更しなさい」「複数回に分けて送金操作を行いなさい」といった指示が出された場合は非常に危険です。
金融機関のセキュリティ制限を自ら解除させるような指示は、被害額を極限まで拡大させようとする悪質な狙いによるものです。
送金先名義が「個人名」や「無関係な法人」になっている不審点
インターネットバンキングの送金画面で振り込み先を入力した際、受取人名義が「見知らぬ個人名」や「捜査とは無関係な民間企業・合同会社の名称」になっているケースがほとんどです。
「警察の捜査用口座」や「調査用一時保管口座」であると説明されていても、振り込み先の名義が公的機関(例: 警察庁、財務省など)になることは構造上考えられません。
振込先の口座名義が個人名や不透明な法人名になっている場合は、提供された情報の客観的信頼性が根底から崩れているサインです。
送金手段ごとのリスク比較
・危険度:中
・見破られる要因:銀行員による使途のヒアリング・警察通報の仕組みが存在
・危険度:中〜高
・見破られる要因:高齢者の限度額制限・警察官や防犯指導員の巡回
・危険度:極めて高
・見破りにくい要因:密室で電話しながら操作・限度額の即時変更が可能・第三者の目が届かない
「もしかして騙された?」振り込んでしまった直後・決済後の緊急対処手順
「警察官の指示だと思って言われるがままネットバンキングで振り込んでしまった」「後から冷静になって不審点に気付いた」という状況に直面した場合、焦りは禁物です。
パニックに陥る気持ちを抑え、1分でも早く適切な公的窓口や金融機関へ連絡を入れる「初動対応」が、被害の拡大防止や資金回収の可能性を残す上で極めて重要になります。
以下に、不審な送金を行ってしまった直後に取らなければならない緊急ステップをまとめました。
相談者様の声(50代女性・公務員)

『警察からあなたの口座が犯罪に使われている』と電話があり、焦って言われるがままネットバンキングで資金を振り込んでしまいました…今から取れる対応や確認すべき点について教えてほしいです。
手順1:すぐに振込先の金融機関および自社口座の銀行へ連絡(口座凍結依頼)
資金を送り出してしまったことが判明した時点で、最初に行うべきは金融機関への緊急連絡です。
自分が利用した銀行だけでなく、送金先として指定された受取口座の金融機関の「不正送金・犯罪被害緊急ダイヤル」へ直ちに電話をかけてください。
相手の口座がまだ資金を引き出す前の状態であれば、「振り込め詐欺救済法」等に基づき、金融機関側で受取口座を緊急凍結できる可能性があります。
手順2:最寄りの警察署または警察相談専用電話(#9110)へ届出
金融機関への連絡と並行して、速やかに最寄りの警察署の知能犯係や生活安全課、あるいは警察相談専用電話(#9110)へ被害の事実を通報・相談してください。
電話口では「いつ」「どのような口実で」「どの口座からどの口座へ」「いくら送金したか」を整理して伝えると手続きがスムーズに進みます。
電話での不審な指示内容や、相手の電話番号、送金明細の画面(スクリーンショットや振込控え)は、警察へ提出する重要な証拠となりますので大切に保管してください。
手順3:振り込め詐欺救済法に基づく被害回復分配金手続きの申請
被害に遭った資金が相手の口座に残ったまま口座凍結が行われた場合、「振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律)」に基づく手続きが適用されることがあります。
この法律は、凍結された口座の残高から、被害に遭った金額に応じて「被害回復分配金」を被害者へ支払う仕組みです。
預金保険機構のホームページで公告が出されるため、警察への被害届提出と併せて、金融機関の窓口で申請手続きの流れを確認してください。
手順4:クレジットカード会社への連絡と二次被害(情報流出)防止策
もしも電話の途中で、口座番号だけでなくクレジットカード番号やネットバンキングのログインID・暗証番号・ワンタイムパスワード等を相手に伝えてしまっていた場合、二次被害のリスクが生じます。
該当するカード会社や銀行へ即座に連絡し、クレジットカードの利用停止手続きやネットバンキングのアカウントロック・再発行を行ってください。
暗証番号を他のサービスでも使い回している場合は、速やかにすべてのパスワードを変更することが安全管理上不可欠です。
緊急対処のタイムラインと連絡先一覧
対応内容:送金先口座および自口座の緊急凍結依頼・不正送金ダイヤルへ通報
対応内容:警察相談専用電話(#9110)または最寄りの警察署へ被害届・相談
対応内容:クレカ停止・ネットバンキングのパスワード変更・アカウント再発行
対応内容:公的公告に基づき、凍結口座からの資金返還申請(預金保険機構・銀行窓口)
なぜ公務員や社会人でも騙されるのか?「自分は大丈夫」の落とし穴
「1,600万円もの大金を警察を騙る不審電話で振り込んでしまうなんて、自分ならあり得ない」と感じる方も多いかもしれません。
しかし、被害に遭われた方の多くは、日頃から社会的責任を持ち、防犯に対する意識を備えていた公務員や会社員、元教育関係者などです。
知識やリテラシーがある人物であっても不審な誘導に引っかかってしまう背景には、人間の心理構造に起因する明確な客観的メカニズムが存在します。
私の視点:客観的分析

責任感が強く、社会的な立場や規範を重んじる方ほど、「公的機関からの指摘」や「不祥事に巻き込まれる恐怖」に直面した際、自力で解決しようと焦り、第三者への確認を後回しにしてしまう傾向が見受けられます。
正常性バイアスと権威(警察)への服従心理が引き起こす盲点
人間には、自分にとって都合の悪い事態が発生した際に「自分に限ってトラブルに巻き込まれるはずがない」「これは正当な捜査の連絡なのだ」と思い込もうとする心理作用(正常性バイアス)が働きます。
同時に、幼少期から「正しいもの」「服従すべきもの」として認識している「警察」という権威からの言葉に対しては、無意識のうちに従ってしまう服従心理が強く作用します。
この2つの心理的要素が合わさることで、「相手が本物の警察官である」という仮説を疑うことなく受け入れてしまう盲点が生じるのです。
「疑われたくない」「大事にしたくない」という心理に付け込む罠
「犯人があなたの口座を買ったと供述している」と言われた際、真面目な人物ほど「身の潔白を証明しなければならない」「職場や家族に噂が広まったらどうしよう」という強い恐怖を抱きます。
相手はこの「大事にしたくない」「波風を立てずに穏便に解決したい」という読者の弱みに巧みに付け込んできます。
「今すぐ指示に従えば、秘密裏に調査を終わらせて嫌疑を晴らしてあげる」という言葉をかけることで、不自然な送金指示を「身を守るための解決策」と誤認させてしまうのです。
周囲や公的窓口への確認を思いとどまらせる「孤立」の演出
相手は「これは国家の機密に関わる捜査だ」「誰かに話したら捜査妨害となり、あなたを逮捕しなければならなくなる」と脅しをかけてきます。
このように周囲との連絡を絶たせ、孤立した環境に置くことで、家族や同僚、本来頼るべき警察の公的相談窓口(#9110)へ確認を入れる選択肢を読者の頭から消し去ります。
「他人に相談できない」という状況を作り出すことこそが、相手が送金目的を達成するための強力な仕掛けとなっているのです。
自分と家族の資産を守るための具体的な防犯・予防策
警察官を騙る特殊詐欺の被害を未然に防ぐためには、個人の警戒心だけに頼るのではなく、仕組みやシステムを活用した防犯環境を整えることが効果的です。
特に50代以降の世代や、一人暮らしのご家族がいらっしゃるご家庭では、日常生活の中で客観的な確認ができるルールを事前に定めておくことが推奨されます。
今すぐご家庭で導入できる具体的な防犯・予防策について解説いたします。
電話機の設定:ナンバーディスプレイの活用と防犯機能の導入
不審な電話との最初の接点を絶つために、固定電話やスマートフォンに防犯機能を設定することが極めて有効です。
固定電話においては、発信者番号を表示する「ナンバーディスプレイ」を契約し、登録していない番号からの着信には出ない習慣をつけることが望ましいと言えます。
また、通話内容を自動で録音する警告アナウンス機能(「この電話の通話内容は防犯のために録音されています」)を備えた防犯電話機を設置することで、相手に電話を切らせる効果が得られます。
「折り返し電話」は指定された番号ではなく公表されている警察署代表へ
万が一、警察官を名乗る電話に出てしまい、不審な口実で捜査協力を求められた場合は、「一度電話を切り、警察署の代表番号へかけ直す」ことを徹底してください。
この際、最も注意すべき点は「電話の相手から教えられた電話番号には絶対にかけ直さない」ということです。
相手から教えられた番号は、悪質な組織の別の担当者へつながる偽の連絡先である可能性が極めて高いため、必ずインターネット検索や104番号案内で警察署の公式代表番号を自ら調べて連絡してください。
家族間で「不審な電話があったら即共有する」ルールの作成
ご家庭内や親族間において、「公的機関からお金や口座に関する電話があった場合は、どれほど緊急だと言われても必ず家族に一番に共有する」というルールを作っておくことが大切です。
「家族に言ったら逮捕される」という相手の脅迫は客観的な根拠がなく、第三者に相談することこそが身を守る手段であることを家族全員で認識しておく必要があります。
合言葉を設定しておいたり、不審電話があった際にすぐ連絡できる家族グループを作成しておいたりすることが、孤立を防ぐ防波堤となります。
□ 固定電話に「防犯録音機能」や「着信拒否機能」を設定しているか
□ ナンバーディスプレイを活用し、未登録の電話番号には出ない徹底ができているか
□ 警察を名乗られても「折り返しは公式代表番号へかける」と決めているか
□ 警察や公的機関が電話で「口座振込」を求めることはないと知っているか
□ 家族間で「不審な電話があったら即共有する」ルールが共有されているか
□ 警察相談専用電話(#9110)の存在をメモやスマホに登録しているか
客観的な不審点の整理や状況の確認に迷ったら(LINE相談のご案内)
「警察からかかってきた電話の内容がどうしても頭から離れず、本物かどうか確かめたい」「家族が怪しい電話を受けて契約や送金をしてしまったかもしれない」と不安を感じている場合、一人で悩むことは避けなければなりません。
状況が混乱しているときこそ、客観的な事実に基づき、手続きの矛盾点やリスクを冷静に整理してくれる第三者の視点を活用することが大切です。
不審な連絡に対する冷静な状況整理のアプローチについてお伝えいたします。
不審な連絡や提示された条件に違和感を覚えたときの冷静な整理法
不審な電話を受けた際は、相手の発言内容を文字にして書き起こしてみることで、客観的な不審点が浮かび上がりやすくなります。
「警察が電話で振り込みを求めているか」「提示された口座名義が公的機関ではなく個人名や無関係な法人になっていないか」「特商法や公的手続の規約に反していないか」といった要素をひとつずつ検証していくことが必要です。
感情的な焦りを取り除き、書面や一次情報の客観的データと照らし合わせる作業が、正しい判断を下す鍵となります。
第三者の視点でリスクや不審点を客観的に確認するアプローチ
当事者になってしまうと「警察官」という言葉の重圧から、なかなか一人で判断を下すに至らないケースも少なくありません。
そのような場合は、利害関係のない第三者のフラットな目線で、相手から送られてきたメッセージや指示内容の整合性を確認してもらうことが非常に有効です。
リスクの有無や、公的機関・金融機関へ今すぐ取るべき行動の優先順位を明確にすることで、冷静さを取り戻して適切な対処へ踏み出すことができます。
メッセージ

「警察からの連絡だから間違いない」と指示通りに送金してしまった後でも、一人で抱え込まずにLINEでご状況をお知らせください。
警察の手続きとして不自然な点や、金融機関・警察相談専用電話(#9110)へ今すぐ連絡すべき手順について、第三者の視点から冷静に整理するお手伝いをします。
評判や記事を一人で何時間も調べ続けるのは大変です。
気になっている状況をそのまま送っていただければ、私が見たままの分析をお返しします。
まとめ:冷静な確認と素早い初動対応で資産を守る
警察官や公的機関を名乗る人物からの不審な電話は、相手の恐怖心や服従心理を巧みに突いてくる手口です。
しかし、「警察の手続きとして電話で個人口座への送金や口座調査を求めることは運用上考えられない」という客観的事実を一度把握しておけば、不審な指示を見抜くことは十分可能です。
万が一、相手の言葉を信じて送金を行ってしまった場合であっても、直ちに金融機関へ連絡して口座凍結を求め、警察(#9110)へ通報を行うという素早い初動対応を取ることで、被害の更なる拡大を防ぐことができます。
不審な電話や連絡に少しでも違和感を覚えたら、決して一人で抱え込まず、公式な警察窓口や信頼できる第三者へ相談し、冷静な対処を徹底してください。
| 場面 | 確認すべき要点と取るべき行動 |
|---|---|
| 電話対応時 | ・「警察官」を名乗られても、電話口での口座移動指示は公的運用上あり得ないと判断する ・「捜査の秘密」と言われても、その場で電話を切り第三者に相談する |
| 折り返し確認 | ・電話口で提示された番号には絶対にかけ直さない ・自分で公式HPや104で調べた「警察署代表電話」へかけ直す |
| 送金直後 | ・直ちに振込先の銀行および自社口座の不正送金ダイヤルへ連絡し「口座凍結」を依頼 ・最寄りの警察署または警察相談専用電話(#9110)へ被害を届ける |
| 二次被害防止 | ・暗証番号やログインIDを伝えた場合は、ネットバンキングのアカウントを停止・変更 ・クレジットカードの停止手続きを実施する |



